“私は自分が見たものの半分も語ってはいないのだ”マルコ・ポーロ

はじめに

 これは漫画『第三世界の長井』における断片的な情報を「すべてに設定に準じた意味があり、予定された結末に結びつけられている」と仮定して、その仮定に沿って検証し考察をおこなう実験であり、思考遊戯である。
 この仮定の外では、そもそも『第三世界の長井』作中に意味ありげに散りばめられた情報の大半あるいは全てが読者を楽しませる(あるいは混乱させる)ためのフェイクであり、このページで行なう思考実験すべてが無意味であるとする考えもあろう。まったくその通りである。

 なお、底本として『第三世界の長井』第1~2巻(2013年1月、初版)、3巻(2015年7月、初版)を用い、雑誌連載時に掲載されたものは原則的に扱わない。

献辞

 このページをながいけん先生とその『第三世界の長井』に、またこのページの大いなる指標である「M2」に捧げたい。
 しかしこんなものを捧げられても困るかもしれず、「捧げはするがだからといって彼らには何の非もあるわけではない」ともここに明言しておく。